独自ドメイン取得の記録

 このサイト「デイリーベルズ」は,2003年9月にドメイン申請を行い,運用を開始したものです。これから独自ドメインを取得しようとする方の参考になればと思い,一連の情報を記録として留めておきます。なお,正確を期すようにはしていますが,筆者の主観が入ったものであることをお含み置き下さい。また,特定の業者を実名をあげて紹介しておりますが,契約にあたってはリスクをご自身で判断なさってください。

circumstance

 ウェブサイトを作りはじめて5年程になります。最初はジオシティーズ,次いでCOOLと無料サービスを利用して立ち上げたものでした。現在はまじかるハウスのホスティングを主力にしていますが,岡野史佳先生に関するものは友人が運営するサイト(http://www.fumica.com/)からサーバー領域を分けてもらっていました。また,名刺に記載するメールアドレスは分かりやすさが大切ですから,@fumica.com のものを記載しています。

 ところが,fumica.comが利用しているホスティング業者が突然に廃業すると伝えてきて,あわや一時休止かという事態になりました。結果的には管理者の尽力で回避できましたが……。これが契機となり,リスクの分散を考えるようになりました。どうせサーバーを移すなら,中身を反映したサイト名にしたい。そこで,前々から構想にあったドメイン取得に着手したわけです。

Registrar

 さて,ドメイン取得を決断したら,次は業者選びです。しなければならないことは大まかに2つあって,(1)レジストラーと呼ばれる登録代行業者に,ドメインを登記してもらう,(2)ホスティング業者から文書や画像の配置場所(サーバー)を借り,その住所をレジストラーに連絡する――という手続(契約)が必要になります。

 自前ドメインというと,.com/.net/.jp/.cc/.to あたりが定番ではないでしょうか。ところが筆者,どうしても英国ドメインを取りたかったのです。このサイトは,岡野史佳先生に関する情報を提供するメールマガジンの登録窓口が主たる機能にあります。で,これは「ロンドンに本社がある新聞社」という架空の設定で運営しているので,イギリスを感じさせるものにしたい。

 そうなると“.co.uk”を選べるところという選考基準で,自ずと候補は絞られてしまいました。最初は米国の老舗業者である Register.com にしようとしたのですが,2年分(.ukドメインの最低契約期間)で$90というのは酔狂でやるには少々高い。そこで,バリュードメイン(Value-Domain)を通じて登録しました。こちらの請求額は2,066円。5倍の価格差というのは,なかなか驚きです。この差を解明しておかないと,リスク負担になりません。

 悪いレジストラーを選んでしまったらどうなるか――最悪の場合,取得したドメインを失ってしまうかもしれません。レジストラーが倒産などで消失してしまった場合,ドメインの登記簿にアクセスする窓口が無くなるため更新手続が取れなくなってしまうのです。

 そこから,先の価格差を説明することができます。(1)登録料収入が潤沢に入ってくることにより安定した経営ができる。古くからあるレジストラーに見られる形態です。料金は高くても,既存の利用者がたくさんいるところは経営が安定しているので,つぶれにくい(だろう)という安心感がある。

 次に,(2)代理店価格。バリュードメインは,ドメインの登録を受け付けるリセラー(代理店)であって,自分自身では登録作業をしません。米国の“eNom”に手続を依頼しているのです。間に卸売り業者が入ったらマージンの分だけ高くなるように思えるのですが,なぜか逆の現象が発生するのです。

 そして,(3)利益構造。これは筆者の推測ですが,ドメインの登録は利益をもたらすものではないようなのです。というのも,業者の比較をしていると「ドメイン無料プレゼント」というのが結構ある。つまるところ,別なところでお金が手に入るらしい。なんか,PHS/携帯電話の本体0円,1円販売と同じですね。で,ドメインの場合において通話料にあたるところは何かというと,ホスティングでしょう。

 さて,ここまで整理したら,格安業者でもいいかどうかの判断です。これはもう,口コミ情報を集めて,あとは勘に頼ることになります。

 私がバリュードメインに決めたのは,同居することになる利用者に好感を持ったからです。同じ会社が経営するホスティングもしているのですが(後述),その活用方法について支援組織を立ち上げていました。これがなかなか強力で,ノウハウとFAQの蓄積がある。また,ボランティアがいるところでは,業者がサポートにかける手間を減らせるのでコストダウンになる。これから住み着こうとするなら,こうした愛着のある人が多い場所の方がいい。すでに利用しているまじかるハウスも今年度から会費制が導入されたのですが(年3,000円),似たような環境が気に入って継続しています。そんなわけで,直感で契約を決めました。申請後,ほどなくして通知メールが届きました。

 なお,J-Naviでも英国ドメインが取れたのですが,必須的にホスティングとの抱き合わせになるのでやめました。

Hosting

 さて次はホスティング。こちらは単純に,「いいところは高い」という経済法則で成り立っています。開業者の数が多すぎて,どこがいいのか決めかねるところです。

 筆者は,ドメイン登録と同じ会社が運営するエクスリア(XREA)にしました。ここ,表向きは「無料ホスティング」を提供しているところで,広告収入により成り立っています。ですが,実質的には「Value-Domainでドメインを取得した人」のためのオプション提供という位置づけといって過言ではないでしょう。そのぶん連携が強くなっています。強すぎて,いったい今はどちらの設定をしているのか混乱するくらい。

 広告を貼り付けるなら無料でも利用できますが,こちらには「有料広告免除サービス」という名目で,1年分2,556円支払いました。それでも,ドメイン取得費用と併せた年間維持費は3,589円です。

 ウェブサイトに広告が出ても構わない,自分専用のメールアドレスとして使うというならば,ドメイン取得費用の1,000円/年たらずで運用することも可能。費用面での障壁が低いことは,かなりの魅力です。

Setting

 設定作業をしていて感じたのですが,かなり面倒。これが英語での指示だと,どうしたらいいのか悩んでいたと思います。初めて手がけるなら国外の業者は避け,日本語の解説付きで作業を進められるところを選んだ方がいいと思います。

 今回の構築にあたって参照したのは,下記のサイトです。豊富……というより,多すぎるくらい(笑)

  あと,意外に分かりづらいのが管理画面への入り方。選択したサーバーによって異なり,“s39”だと次のようになります。

 初心者の私がつまづいたのは,“www.”の有無をどう処理するかでした。参照した解説は,www.無しのもの(http://dailybells.co.uk)を最も良く使うものにするという前提で書かれており,これをwww.付きのものにしようとして混乱を来したのです。DNSの設定で「転送」を使うと,ウェブの方はいいのですがメールが届かなくなるし。public_html に “www.dailybells.co.uk”,“dailybellls.co.uk”というディレクトリを作ればいいというのを理解するまで,1日かかりました。

 あと,つまづきではないのですが。DNSを登録しても,浸透するまで数時間から数日かかります。つまり,きちんと設定されていても,利用できるようになるまではしばらく待たなければいけません。これは,インターネットというものがそういう仕組みになっているので当然のことなのですけれど。でも,それまではURLを入力しても正しく表示されないので心配になるんですよね……

following

 その後。


foundaion: 03/Sep/2003

(C) 2003-07 Gen Oishi

もどる